A 加入の決断の時です。
今から数年前(まだ平成だったころ)、顧問先に「年金事務所から立入検査予告通知」が来ました。しかし、顧問先は無視していました。その後、数回同じようなお知らせが来ました。
今回、再び年金事務所から立入検査予告通知が来ました。そこで、法人をやめて個人にする個人成りを提案しました。
小麦を使う飲食店で、小麦価格も高騰。コロナ。経営状態が苦しいところに、社会保険の支払が加わればやってはいけません。
まず、現状で社会保険料の試算をすると、100万円~200万円の負担が必要になります。もちろん折半ですが、同族会社(家族経営)の場合、会社で負担する分も実質自己負担と同じ。
収入はよくないのに経費がいきなり100万円も増えれば資金繰りが上手くいきません。
そこで、個人成りの提案です。
相談を受けて顧問先に訪問するまでの1日で上記の社会保険料の試算を行い、翌日訪問した際に個人成りを提案。
立入検査は約1週間後。そこで概要だけ説明し、まずコロナ融資の借入を返済。後は法人契約を個人へと移行するように説明。
社会保険事務所(年金事務所)には、コロナの影響等、法人を辞めて個人成りにすることを説明。上記の資料なども持参。
個人成りの予定は、10月くらいを目処にしている旨伝えると、2、3ヶ月だけなので後日個人成りした届け出関係を出すことで上手く解決しました。
もし今回も放置していた場合、最悪2年分の社会保険料を支払う必要があります。つまり、200万~400万円。
儲かっている時ならまだしも、今の時代この金額はまず無理でしょう。そこで、法人で使えるメリットがなくなったとしても、社会保険料の負担がないほうが商売はできます。
いつまで無視が通じるかはわかりませんが、今回はもしかしたら無視が通じなかったかもしれません。
法人である必要性がないなら個人成りも視野に入れるべきでしょう。
すぐに行動して準備をしたので顧問先には大変喜ばれました。殿様商売の税理士であれば、下準備もしていないため社会保険を加入させられていたかもしれませんね。