Q 新しく会社を設立しますが、資本金をすぐに返してもらえますか?

Q 新しく会社を設立しますが、資本金をすぐに返してもらえますか?

A 出資した資本金は返済されません。

新規法人(会社)を設立した際に、実際にあった事例、質問があった事例です。

事例1は、A社は知人からお金を借入、通帳に入金。そのお金を「資本金」として会社をはじめ、銀行から借り入れたお金ですぐに知人に返済。

事例2は、お金がないがそこそこの資本金にしたいので、会社設立時にお金を貸して銀行融資がおりたら返済したいということ。

事例1は、すでに実行していたため、つじつま合わせ。今のところ数字上は問題ありませんが、いつか困ることになりそう。

事例2は、会社設立前だったのでなんとか事前に問題解決済み。

まず、何が問題かを説明します。資本金とは基本的に返済されないお金です。資本金は会社の心臓と同じで、出資すれば、会社が死ぬまで返済されないと思った方がいいでしょう。一方、借入金は返済することが前提です。どちらもお金を調達するという意味では同じですが、返済の有無が大きな違いです。

仕訳を書くと以下の通りになります。

出資時
預金 100万円 /資本金 100万円

借入時
預金 100万円 /借入金 100万円

例えば、上記のように借り入れた100万円で資本金を返済すると以下のようになります。

貸付金 100万円 /預金 100万円

結果として、以下のような貸借対照表になります。

預金 100万円  /資本金 100万円
貸付金 100万円 /借入金 100万円

お金を貸した人にとっては、資本金部分の100万円を貸して、銀行から借り入れた100万円を返済してもらったので、プラスマイナスゼロになりますが、会社としてはそう簡単にはいきません。

会社は、お金の支払う根拠がない100万円を支払っているため、その人に対する貸付金として処理する必要があります。資本金を返済するということは、一般的には減資ですが、資本金全額を返済するということは、会社が無くなることと同じです。また、事務手数料として登記手数料が発生します。資本金はむやみに変更するものではありません。

そして、貸付金は通常利息を取らなければいけません。個人であればただでお金を貸すこともありますが、法人(会社)は営利組織です。儲けることが目的(前提条件)の会社が、ただでお金を貸すというのはルール違反です。少なくとも銀行に預けていれば利息がつくため、通常無料で貸すよりも預金します。つまり、貸付金に対して利息が徐々に増えていきます。

今回、お金を借りた人=社長、だとします。その人は銀行から個人的に借りて、個人的に返済するのであれば問題ありません。個人とは別人格である法人で借りたお金を自分の借入先に返済するからおかしいことになります。

個人
預金 100万円 /借入金 100万円

会社
貸付金 100万円 /預金 100万円

会社が借りたものでないお金を支払うため、使途不明金になります。個人と法人の流れを仕訳すると以下のようになります。

個人
預金 100万円 /借入金 100万円・・・知人からお金を借入

会社
預金 100万円 /資本金 100万円・・・社長の出資として法人を設立

会社
預金 100万円 /借入金 100万円・・・金融機関から融資
貸付金 100万円/預金 100万円・・・会社が社長にお金を貸しつけ

個人
借入金 100万円 /預金 100万円・・・知人に返済

以上、個人間では返済が完了します。問題は会社の処理です。どうしても貸付金が問題になります。この貸付金を減らしていく方法はいくつかありますが、わかりやすい方法は、社長の給与(役員報酬)を増やして、そこから返済していく方法です。

例えば、社長の給与を月20万円と設定予定だったのを、月25万円にして増やした5万円を返済の原資に充てます。
※実際には税金等の天引きがありますが、ここでは考慮しません。

役員報酬 25万円 /預金 25万円

預金 5万円 /貸付金 5万円 ・・・貸付金の返済

結果として、20ヶ月(利息を考慮しない)で返済することになります。

貸付金は、税務上の問題の他、金融機関の評価にもマイナスに影響します。なぜなら、必要だからお金を貸したのに、そのお金を個人的なことに使われているということです。

授業料のためにお金を貸したのに、そのお金を遊興費で消えていたらどう思いますか?銀行もお金の使い道がどうなっているのかも考慮します。

以上、見せ金で会社を設立することを考えている人は気を付けましょう。

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