仕事をはじめる前に

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はじめて働き始める時、気を付けなければならないことがあります。

目次

所得税に関して

家族の扶養の対象になっている場合、扶養からはずれる働き方をするのか、扶養の範囲内で働くのかを前もって決めておく必要があります。
*扶養の範囲で働く必要がない人は、このページは特に参考にするところはありません。

所得税上の扶養の範囲内で働く条件
給与の年収が103万円以内

家族、例えば親の扶養の範囲内で働いている場合扶養控除または特定扶養と呼ばれる所得控除があります。
配偶者(妻もしくは夫)の扶養であれば、配偶者控除または配偶者特別控除と呼ばれる所得控除があります。

対象になれば、38万円の所得控除を申請した家族もしくは配偶者が適用されることになります。

よく言われる、103万円の壁といわれているものです。

ちなみに、所得控除が38万円といっても、税金が38万円安くなるわけではありません。
所得控除を申請した人の所得税率次第で、安くなる税金の金額は変動します。

例えば、所得控除が38円で、申請する人の所得税率が10%の場合
38万円×10%=3万8千円
つまり、所得税率が10%の場合、3万8千円税金が安くなります。
所得税率が20%であれば、倍の7万6千円税金が安くなります。
高額所得者ほど、所得税率が大きいので、所得控除で安くなる税金も大きくなります。

また、会社によっては、扶養手当をもらえる場合もあります。
その場合は、扶養から外れてしまうということは、上記の税金の減少分と扶養手当分お金が少なくなるということです。

ちなみに、上記の所得控除は、住民税にも影響します。
所得控除の金額は、所得税を計算する場合と住民税を計算する場合は違いますが、住民是は1率10%の負担になります。
通常、上記の所得控除の場合、33万円の所得控除になりますので、
33万円×10%=3万3千円
つまり、住民税は3万3千円安くなります。

所得税と住民税が各10%であれば、扶養の範囲内から範囲外になることで約7万円の負担が増えることになります。

*配偶者控除の対象が103万円から、2018年より150万円に拡大する予定です。
これにより、103万円の壁を越えて働くケースも増えるかもしれません。

よく勘違いされやすいのが、あくまで給与収入のみの場合が103万円以内です。
その他の収入の場合は、この限りではありません。

社会保険に関して

社会保険には扶養という概念はありませんが、通常家族の加入している健康保険証を所持していると思います。
親が働いている場合、子供は親の加入している健康保険証を使っています。
自営業者等であれば、国民健康保険、サラリーマン等であれば、健康保険になります。

国民健康保険は、通常世帯収入で判定するため、本人が自分で社会保険に加入しないのであれば、世帯の保険料が増えます。
健康保険の場合は、保険組合等独自の収入基準がありますが、通常の協会けんぽであれば、給与収入が130万円未満であれば、家族の健康保険証が使えます。
(年齢60歳以上又は障害者の場合は、年間収入180万円未満)

よく言われる、130万円の壁といわれているものです。

この130万円の壁を越えてしまうと、自分で国民健康保険または健康保険料を支払う必要があります。

また、配偶者の場合は、国民年金が免除になる制度もあります。
(厚生年金保険に加入している方の被扶養配偶者の方(国民年金の第3号被保険者)

つまり、厚生年金に加入しているサラリーマンの妻で、130万円の壁を越えて働く場合、働き先で社会保険に加入していないのであれば、国民年金と国民健康保険料の負担が増えることになります。国民健康保険料は収入や住んでいる自治体によって異なりますが、だいたい給与所得の10%強くらいだと思います。国民年金は、年間20万円程度です。年収130万円をちょっと超えるくらいなら、130万円未満にするほうが、かなりお得です。

ちなみに、給与所得とは、給与収入から給与所得控除を差し引いた残りです。
給与収入-給与所得控除=給与所得

給与所得控除は、最低65万円あります。
給与所得控除とは、働くために必要な費用のことで、全くお金を使っていなくても、65万円も認めてくれるものです。

配偶者の場合、配偶者控除が150万円まで認められるとしても、社会保険の130万円の壁が足かせになるかもしれません。

最後に、所得税と社会保険でいう収入の判定時期の違いについて

よく勘違いしやすいんですが、所得税の収入は、暦年で判定します。
つまり、1月1日~12月31日の収入がいくらかで判定します。

一方、社会保険の収入の判定は、今後1年の収入の見込みで判定します。
(協会けんぽの場合。会社の保険組合等独自のルールがある場合は、この限りではありません。例えば所得税と同じ暦年の場合もあります)

例えば、10月で会社を退職した場合、年収150万円だったので、所得税上は配偶者控除・扶養控除の対象にはなりませんが、今後収入の見込みはありませんので、社会保険の扶養には該当します。ただし、失業保険も収入とみなされますので、その点は気を付けてください。

逆に、10月に会社に就職した場合、年収60万円だったので、所得税上の配偶者控除・扶養控除の対象になりますが、月収20万円で、1年間の見込み収入が240万年となりますので、社会保険の扶養からは外れることになります。

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