Q 自分で相続登記をする方法は?

A 基本的に自分で相続登記可能です。

自分で相続登記をする方法

相続登記をするためには、大きく3つ必要です。

①遺言書or遺産分割協議書
②戸籍謄本
③不動産の謄本と固定資産税評価額

まず、だれが相続するかわからないと登記はできません。当然ですね。完全所有か共有かは別にして、どういった内容で遺産を分けたのかの根拠が必要です。遺産分割協議書の場合は、その証明として印鑑証明が必要になります。

次に、相続人が誰かを証明する必要があります。一緒に住んでいた家族だけが相続人であるとは限りません。浮気して外に子供がいたり、親子だけの相続ではなく、兄弟姉妹の相続など、知らない血縁がいるかもしれません。その証明のため、生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍謄本が必要になります。また、登記をする相続人の戸籍謄本も必要です。

なぜ登記をする人の戸籍謄本もいるのかというと、変な話ですが、相続人がすでに亡くなっている可能性もあります。そのための証明です。遺産分割協議書があれば印鑑証明とのセットなので、印鑑証明があれば生きている証拠になりそうですが、それでも戸籍謄本は必要みたいです。

最後に、固定資産税評価額です。なぜなら登記するには手数料を払う必要があるからです。通常固定資産税評価額の4/1000を乗じた金額を納付します。

納付といっても収入印紙を買って貼り付けるだけ(消印はしない)。

という風に、大きく3つの情報が必要になります。

自分で相続登記をするための必要な資料

一般的には、下記の資料が必要です。

遺言書or遺産分割協議書+印鑑証明
被相続人(亡くなった人)の戸籍謄本一式(生まれてから亡くなるまで)
被相続人の住民票(除票)か戸籍の附票
相続人(新しく不動産を取得した人)の戸籍謄本(現時点のもの)
相続人の住民票か戸籍の附票
固定資産税評価額(これは市区町村の課税課で発行してもらいます)
不動産の謄本

遺言書がなければ相続人で話し合って遺産分割協議書を作成します。
自分でフォーマットを見つけて書きます。
財産をもれなく書きますが、相続登記用に分けて作ってもOKです。
例えば、A銀行にB銀行のことを知られたくない場合は、A銀行用とB銀行用と分けて作成します。面倒ですが。そういう風に、分けなくてもいい人はシンプルに1通作成します。

相続人が一人の場合は不要ですが、遺産分割協議書が出来たら実印で押印し、印鑑証明を添付します。※分割協議書が複数枚になったら、ホッチキスで閉じた後ページをまたぐ用に印鑑を押して、ページが差し替えられていないという証明をします。

戸籍謄本は単純に、最終の戸籍謄本から遡って出生分まで取得します。最終の戸籍謄本がある市区町村で一つ前はどこどこの役所だと教えてくれます。教えてくれない場合は、戸籍謄本をみればわかります。

この作業は簡単ですが、複数ある場合は、気長に戸籍謄本をとりましょう。

少なくとも、出生した戸籍、結婚して新しく出来た戸籍、法改正で戸籍が電子化?された戸籍、と3種類くらいはあると思います。

固定資産税評価額は、不動産がある市区町村で取得できます。名寄せ帳という名前でとりましょう。

注意するのは、非課税の場合でも相続登記の手数料は発生するということです。

例えば、一軒家を相続した場合、家の前が公道ではなく私道の場合があります。私道の場合は、辺り数軒で共有になっている可能性があります。その場合、固定資産税は0円ですが、この分も忘れずに登記する必要があります。

不動産の謄本は、登記には不要ですが、固定資産税評価額の証明書をとる場所の把握、遺産分割協議書に記載する情報として利用します。

通常不動産は、地番や地積・家屋番号など、通常見聞きしない情報があります。不動産の謄本を取ることで正確に記入できます。ちなみに、不動産の謄本はインターネットで取得できます。法務局で取得するよりも安く発行してもらえます。

自分で相続登記をするための手続き

法務局に必要な書類ができたら持参します。今はコロナなので事前に電話予約すれば、登記の相談も可能です。

不動産登記の申請書様式について

https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/minji79.html

上記の法務局のサイトに下記の番号があるので、記載例を見ながら申請書を書きましょう。

20)所有権移転登記申請書(相続・遺産分割)

原本還付について。

相続登記のためだけに作成する資料以外は、必要なものをコピーして原本還付を申請すれば原本を返してもらえます。※コピーは事前に準備します。コピーと原本をセットで提出します。

返して貰えないもの・・・登記申請書
返して貰えるもの・・・戸籍謄本・遺産分割協議書・印鑑証明

原本に相違ない旨を書いて、氏名と印鑑(認め印でOK)を押印します。
しかし、すべてのページに記載するのは面倒なので、表紙を作って上記を記入押印し、ホッチキスで閉じた後に、すべてのページが連続していることを証明するために、2枚をまたぐように印鑑を押します。

相関図を作成すると、原本還付のために戸籍のコピーをとる必要はありません。相関図がその証明となります。

登記手数料(登録免許税)は、基本的に固定資産税評価額の金額を合算して計算します。

1000円未満切り捨て

切り捨てた後の金額に4/1000を乗じたものが手数料です。

100円未満切り捨て

手数料は3万円未満は収入印紙が可能らしいですが、3万円以上でも収入印紙でOKです。

登記申請書の次に手数料のための紙をつけて、そこに貼り付けましょう。この場合も紙が2枚になるのでホッチキスで閉じた後に連続した証拠として2枚の紙の間に印鑑を押します。

自宅と私道の相続の場合の注意事項

実は、私道がある場合注意する必要があります。

自宅の場合、100%所有しているケースが多いと思いますが、私道の場合は、ほぼ共有になっていると思います。それぞれ分割して100%の場合もあるらしいですが。

その場合、相続登記の登記の目的が所有権移転登記と○○(被相続人)持分全部移転の2つになります。1つにまとめて申請書を書くこともできるらしいですが、2つに分けた方がわかりやすくて無難です。

ただし、原本は基本1つに1つ必要なので、重複している原本は一緒に審査してもらうために、前件添付・後件添付と書いて申請します。

例えば、登記原因証明情報(前件添付)、といった感じです。

注意点は、2つ申請する場合は、申請書の1枚目の右上にえんぴつで「2-1」、「2-2」と記入しましょう。2つの内1つめ、2つめ、というのがわかります。そういう意味で、2-1に使った原本を2-2で使う場合に、2-2の申請書には上記の前件添付を使います。

以上まとまったら、下記の資料を提出します。

登記申請書
原本還付のコピー一式
原本

私道の評価は気をつけよう

私道は固定資産税評価額は0です。

しかし、登録免許税は必要です。その金額は、通常は自宅の土地の価格をベースに計算します。

例えば自宅の土地の評価額が1平米5万円だとします。※固定資産税評価額の金額を面積で割ります

その金額を基準に私道の共有分計算します。

50平米×5万円×共有持分(例えば1/5)×0.3(私道評価減額分)

0.3乗じることで、通常の土地の価格よりも安くなります。また、私道の評価は比較的安いので、発生しても数千円程度(安ければ1000円程度)になります。

ただし、この評価は法務局に確認する必要があります。

勝手に近傍価格の計算をして申告せずに、この件だけは法務局に必ず確認してください。

申請手続きについて

申請手続きが終わると、受付票がもらえます。
受付番号と登記完了予定日が記入されたものなので、保管します。
ミスがあれば連絡があります。

完了すれば、とりあえず受付票と申請書に使った印鑑(認め印)と本人確認ができる運転免許証などを持参します。

念のため、登記完了後に不動産の謄本を取得しましょう。

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